環境問題は非常に重要な問題であることは述べました。にもかかわらず、決定的な解決策が打ち出されずにいる、というのはどうしてなのでしょうか?それでは、考えられるいくつかの理由を説明していきたいと思います。
地球上にはもともと国境などありません。人間が勝手に作ったものです。一方、特定の地域で起こった環境問題に対しては、それを取り巻く国々の足並みが揃わなくては解決は難しい、と言えるでしょう。分かりやすく例をあげて説明しますと、ある川の水質汚染を巡る問題が発生したとしましょう。その川沿いにA,B,Cという国がありました。まず、上流のAが、川の水質改善のためにある法律を施行し、進んでその川をとりまく環境問題に取り組んだとしても、中流域に位置するB国が川の汚染を止めなければ、下流のC国では川の汚染は変わらないままです。この例からみてもわかるように、それぞれの国には国境があるものの、環境汚染には国境など関係ありません。今回の例では、ある川と三国を巡る問題に限定しましたが、現実はもっと複雑です。ある国が起こした環境汚染、環境問題は、全地球規模で汚染を拡大させる可能性があり、重大な環境問題を引き起こしうる、ということなのです。また、例をみてもわかるように、それにかかわる国が多ければ多いほど、それぞれの利害が対立したり、地理的、歴史的、宗教的な背景から足並みをそろえることも難しくなるのが普通です。一つの解決のために、長い時間を費やして議論を重ねることになるわけです。また、今日環境問題はある特定の地域の問題だけではなく、地球温暖化のような全地球規模にまたがる重大な問題も多数あります。必然的に、それに関わる国とは「全世界の国々」となり、より一層足並みをそろえることが難しくなるわけです。
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